ガラスの日本史

ガラスについて呟き

ガラスの日本史

ガラスは古くから様々な地域で作られていた品であるということは多くの人が知っていますが、これは日本という地域でも変わりません。日本の歴史の中だと縄文土器や弥生土器など、高度な技術によって作られた土器のイメージが強いものですが、弥生土器がつくられていた弥生時代の前期には、すでに日本においてもガラスが使用されていました。

弥生中期から後期の遺跡になると、これは日本各地でガラス製の勾玉などが多く出土するようになっていますから、弥生中期以降には日本各地で成型・加工が行われていたのです。
ガラス文化が歴史の中で最も隆盛を極めていたのが飛鳥・奈良時代であり、この時期には上流階級の人の多くがガラス製の器や飾りなどを愛好するようになりましたが、それに続く平安時代以降は、不思議なことにほとんど使用されている様子が確認できなくなりました。

平安時代の文学である源氏物語や枕草子などにはガラスの杯・壺などが登場しますから、完全に失われたわけではないということは確かなのですが、流通していた記録、使用されていた記録がまったくと言ってよいほど無いため、どのように利用されていたのかはわかりません。
現代と同様の西洋風文化が流入したのが室町後期時代ですので、日本におけるガラスの歴史は一度絶え、再び始まったものだということができるのです。